通信制高校とサポート校って、何が違うの?

「中学時代はずっといじめられていたし、高校生になってからが不安だな…」
「友達もいないし勉強にもついていけないしで、結局不登校になってしまった…」
「障害があるため、みんなと同じように毎日学校に通うことは難しい…」

この記事を読んでいる方の中には、このような悩みを抱える方も一定数いるのではないでしょうか。

そんな方たちを支えているのが、通信制高校やサポート校です。

ところが、通信制高校とサポート校を同じだと勘違いしている方も多いようです。

そこで今回は、この両者の違いについて、主に3つの観点から説明していきます。

今回の記事を参考にして、入学するかどうかを検討して頂ければ幸いです。

通信制高校とサポート校の3つの違い

・高等学校かどうかの違い

・学習内容の違い

・学費の違い

高等学校かどうかの違い

「高等学校かどうか」の違い、とはどういうことなのでしょうか?

中学の卒業式で貰った「卒業証書」を思い出してみてください。卒業証書には、「中学校の全課程を修了したことを証する」と書いてあります。

つまり、卒業証書は、中学校を卒業したという証明なのです。

ここでの「高等学校かどうか」というのは、「高校を卒業したとみなされるかどうか」という側面から判断します。

通信制高校

学校教育法では、通信制高校は「高等学校」と定義されています。

そのため、普通の高校と同様、テストの点数提出物、などが一定の基準を上回れば単位を取得でき、その単位数の合計が卒業に必要な単位数を上回れば、当然「高等学校を卒業した」とみなされます。

ただ、通信制高校高校は、登校日は週に1日〜2日で、自宅での学習がメインになるため、全日制の高校と比較すると、自力で学習のペースを保つことが難しく3年で卒業するのが困難なケースもあるため、注意が必要です。

サポート校

学校教育法では、サポート校は「高等学校」と”定義されていません”。

サポート校とは、文字通り、通信制高校に通う生徒を「サポート」する教育機関です。通信制高校を3年でちゃんと卒業するために、テストの点数がしっかり取れているかレポート等の提出物はちゃんと出せているか授業を休まずに出席出来ているか、などの学習状況を把握した上で、勉強面のサポートをしてくれます。

また、学習面でのサポートに加えて、精神面でのサポートも受けられます。中学時代にいじめられていた不登校だったため人とのコミュニケーションが苦手、などの悩みを抱える方も安心です。親身になってくれるカウンセラーが、いつでもあなたの味方をしてくれますよ。

結論

通信制高校では高卒の資格を得ることができますが、サポート校では高卒の資格を得ることはできません。

サポート校はいわば「塾・予備校」のようなもので、サポート校と連携している通信制高校にも同時に通うケースがほとんどです。

高校に入学せずに「河合塾」や「駿台」に通う生徒がいないのと同じことですね。

学習内容の違い

通信制高校とサポート校では、学習する内容も異なります。

その違いについても詳しく見ていきましょう。

通信制高校での学習内容

前述の通り、通信制高校は「高等学校」と同義です。そのため、学習内容は一般的な普通科の高校とほぼ同じです。

英語、数学、国語、理科、地理歴史、などの科目に加え、体育も必修科目です。通信制高校に体育があるのは意外ですね!部活がないと体を動かす機会も少ないので、良い気分転換になること間違いなし。

しかし、通信制高校の生徒は体育を落としやすい傾向にあるので、注意が必要です。英語、数学、国語、理科、地理歴史、などの座学の科目については、多少欠席しても問題ありませんが、体育はそもそも授業のコマ数が少ないため、多少の欠席でも命取りになります。なので、体育だけは真面目に毎回出席するようにしましょう。

サポート校での学習内容

前述の通り、サポート校は通信制高校の延長なので、基本的に学習する内容は変わりません

しかし、サポート校によっては、午前は通信制高校の授業、午後は美容や芸能などの専門的な授業、といったように、生徒の興味・関心に合わせた勉強が可能です。

通信制高校を卒業した後、大学進学を希望する生徒もいれば、美容師や芸能人などの専門職に就きたいと考えてる生徒も当然います。そのため、個人の希望進路に合わせて様々な科目を勉強できることは、サポート校の魅力と言えます。

結論

通信制高校で勉強する内容は、普通の高校とそれほど大差はないです。

一方、サポート校の学習内容は、「普通科高校と専門学校の融合体のようなもの」で、通信制高校での勉強のフォローアップはもちろん、自分の希望進路に合わせて美容芸能などの科目を勉強することが出来ます。

学費の違い

通信制高校とサポート校では、当然かかる学費も異なります。

両者ではそれぞれどれくらいの金額がかかるのか、具体的に見ていきましょう。

通信制高校の学費

通信制高校でかかる1年間の学費は以下の通りです。公立か私立かで大きく異なるのが特徴ですね。

公立 : 3万円
私立 : 自宅学習メイン→30万円 通学メイン→80万円

また、通信制高校に通う場合、「高等学校就学支援金」というものが国から支給されます。支給を受けた場合の学費は以下の通りです。

公立 : 2万円
私立 : 自宅学習メイン→15万円 通学メイン→40万円

上記の金額はあくまで目安です。私立の場合、学校によってかかる学費は異なるので、いくつかの通信制高校に資料請求をして、学費を比較してみるのも手ですね。

サポート校の学費

サポート校でかかる1年間の学費は以下の通りです。塾や予備校と同様、一週間で何日授業を受けるかによって料金が異なります。

週1日 : 20万円
週2日 : 30万円
週5日 : 50万円

通信制高校の場合と同様、上記の金額はあくまで目安です。どのサポート校に通うかによってかかる学費は異なるので、いくつかのサポート校に資料請求をして、学費を比較してみるのも手ですね。

結論

通信制高校の学費は、私立よりも公立の方が圧倒的に学費が安いです。また、「高等学校就学支援金」の支給を受ければ、私立の学費は半額程度になります。

サポート校の学費は、塾や予備校と同様、授業コマ数に応じて学費が異なります。自分の学習スタイルに合わせて登校日数を決めるのが良いですね。

また、前述の通り、通信制高校とサポートの両方に通うのが一般的なため、両者の学費を合計するとかなり高いです。

おわりに

いかがだったでしょうか。通信制高校とサポート校の違いについて、大まかな理解は出来ましたでしょうか。

通信制高校とサポート校は表裏一体。

受験勉強を例に出すと、高校受験であれば中3頃から、大学受験であれば高3頃から、多くの生徒が塾や予備校に通い始めます。それは、独学で受験の範囲を網羅するのが難しいからです。

通信制高校とサポート校の関係も同様で、通信制高校はただでさえ自宅学習がメインなので、自分の学習リズムを確立するのがとても難しいです。そのためにはやはりサポート校の存在が不可欠です。

「オレは独学で余裕だぜ!」という方は通信制高校一本で大丈夫ですが、「勉強には自信がない…」という方は、サポート校も併用するのが良いでしょう。

通信制高校・サポート校ともに、日本全国にたくさんあるので、自分に合った学校を見つけてみてくださいね。

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