通信制高校のサポート校って何?学校選びの注意点を徹底解説!

通信制高校について調べていると、「通信制サポート校」を目にする機会も多いのではないでしょうか。

両者は名前が似ていることもあり、イマイチ違いが分からず、混乱してしまう人もいるでしょう。

通信制高校が母体となっているサポート校もあり、通信制高校なのかサポート校なのかあいまいな学校もあり、さらに分かりづらくなってしまいますよね。

しかし、通信制高校と通信制高校のサポート校は法律的にも全く異なった定義をされています。

両者の違いを明確にして学校選びに生かしましょう!

サポート校とは?

通信制サポート校とは、通信制高校に通う学生が三年間で卒業できるように、通信制高校と提携して支援してくれる民間の教育機関です。

要するに、塾のようなものです。

したがって、サポート校に入学すると、提携している通信制高校とセットで入学する必要があります。

もともと通信制高校を卒業するには所定の単位を取得する必要がありますが、通信制高校では勉強を独学で行う必要があるため、うまくついていくことができず、途中で挫折してしまうことや、三年以上かかってしまうことが多いのは現状です。

サポート校は、こういった独学で勉強を行うことが難しい生徒に対して学習面だけでなく、精神面でも支援することを目的としています。

サポート高校の運営母体

サポート校は主に予備校や学習塾、または専門学校など教育関連の機関であり、それぞれの特色を生かして運営されています。

そのため、運営母体の違いによっては、サポート校ごとに独自のコースが用意されています

例えば、進学塾が運営しているサポート校ならば最難関大学受験向けの特別なコースがあったり、専門学校が運営しているサポート校であれば美容やプログラミングなどの専門的な知識を学ぶことができるコースがあったりします。

他にも、教師が生徒の自宅に行って教えるコースもあり、サポート校によって様々なので、自分に合ったコースがあるサポート校を選びましょう。

通信制高校とサポート校の違い

それでは、通信制高校とサポート校は具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

学校であるか、そうでないか

通信制高校とサポート校の最大の違いは、学校教育法が定めている「高等学校」の定義に当てはまるかどうかところです。

通信制高校の場合

通信制高校は学校教育法が定めている「高等学校」の定義に当てはまっており、法律上の取り扱いは全日制高校と全く同じで。

その特徴として、通信制高校の校名が「○○高等学校」というように、普通の全日制高校とまったく変わらないものになっていることが多いです(まれに例外あり)。

そのため、単位を取得して卒業要件を満たせば全日制高校と同じように高校卒業資格を取得することができます

サポート校の場合

これに対して、サポート校は学校教育法が定めている「高等学校」の定義に当てはまらず、「高等学校」として扱われません。

つまり、サポート校だけでは高校卒業資格を取得することができないのです。

サポート校は入っても入らなくてもよい、いわゆる塾と同じようなものといえるでしょう。

その上に、大半のサポート校は通信制高校と連携しているので、サポート校と同時に通信制高校に入学する必要があります。

サポート校のみに通うという方は少ないでしょうが、高校卒業資格を取得するには通信制高校にも通う必要があるので注意してください。

必要な学費が異なる

通信制高校は公立と私立にわかれています。

公立の通信制高校の場合、授業が無償化されているおり、私立の通信制高校の場合は学校によっても異なってきますが、大体年間30万から90万程度の授業料がかかります。

サポート校の学費は、後ほど詳しく述べますが、年間30万から80万程度の費用がかかるため、私立の通信制高校の学費と比べてもあまり変わらない印象を受けます。

経済的にあまり裕福でない環境の生徒はサポート校の支援を受けづらいのが現状です。

通信制高校の授業料は、公立か私立かによってだいぶ変わります。「あの学校の評判はよさそうですが、授業料が高いだろう…」と不安を感じてしまう方もいるでしょう。今回は、編集部が厳選した評判のいい通信制高校を授業料で比較してみました。ぜひご参考ください。

学習内容が違う

通信制高校とサポート校のもう一つ大きな違いは、学校での学習内容です。

通信制高校の場合

通信制高校では、主にレポートの提出、テスト、スクリーニングへの出席が課せられます。

レポートに合格し、十分なスクリーニングへの出席が認められると単位認定試験を受けることができます。

三年以上在籍し、74単位以上を習得すれば高校卒業資格がもらえますが、すべての勉強は自分一人でしなければなりません(学校によっては先生の指導が受けられるところもあります)。

サポート校の場合

一方、サポート校は学校ではないので文部科学省の出した学習指導要領に沿って授業を行う必要がありません。

学校内の独自のコース、カリキュラムを組むことができ、それぞれの目的に合ったコースを設けています。

大学進学を目指すコースもあれば専門的なコース、もしくは中学分野などの基礎から学びなおすコースもあるため、通学の目的に応じて好きなコースが選べます

サポート校の学費

先ほどもお話しましたが、サポート校は、通信制高校とは別に学費がかかります。

また、サポート校に通学する頻度によって、学費は変化してきます。

平均的にみると、以下の学費が年間に必要です。

通学頻度 学費
週一回 30万円(初年度、入学金込み)
週二回 55万円(初年度、入学金込み)
週三回 80万円(初年度、入学金込み)

専門的な授業が多いサポート校ではさらに金額がかかる場合がありますので、上記はあくまでも目安だと考えてください。

この学費は通信制高校の学費と別にかかってくるため、経済的に負担できない生徒も多いでしょう。

しかし、独自の奨学金制度を用意しているサポート校もあるため、費用の負担が厳しい場合はそちらを利用することも検討してみてください。

サポート校のメリット

それでは、そんなに高い学費を支払っても、サポート校を利用するメリットとしてどんなものがあるのでしょうか。

主に以下のものが考えられます。

  • 個別の学習指導が受けられる
  • 個人の興味関心に合わせた専門授業がある
  • 生徒の精神面や生活面でのサポートが充実

個別の学習指導が受けられる

サポート校では学力や偏差値によらない学習指導が行われており、生徒の学習レベルに応じた授業を行っています。

担任制や少人数制を採用していることも多いため、学習のフォローが行き届いています。

不登校の生徒には小学校、中学校レベルから復習指導を行うなど、個人の学習進度に合わせた細かい指導をしてくれるため、三年間での通信高校卒業を目指しやすくなります。

個人の興味関心に合わせた専門授業がある

サポート校のなかには生徒のやりたいこと、興味があることを全力で学べる環境が整っているところがたくさんあります

例えば、芸能やイラスト、プログラミングから福祉まで、様々な分野の専門知識をプロ講師から教えてもらうことができます。

午前中は通信制高校対策の授業を受けて、午後からは選択授業というようなカリキュラムを設けたり、曜日ごとに様々な専門分野の授業を開講したり、興味を持った分野にすぐにチャレンジできる環境が整っています。

生徒の精神面や生活面でのサポートが充実

サポート校の中には、不登校やいじめなどで学校に行けなくなってしまった生徒に対して訪問授業やプライベート授業を行っている学校もあります。

サポート校では教員資格のほかに、カウンセラーの資格を持った教員も多く、生活の不安やメンタル面でもなんでも相談できるような環境が整っています。

また、いじめを防止するため、休み時間も教員がクラスにいたり、クラス分けにも配慮したりしているサポート校も多数あり、生徒がきちんと学校生活を送れるように工夫しています。

そのため、不登校だったけれど、通信制高校とサポート高校に通っているうちに自信が付き、就職や大学進学に進んだ学生もたくさんいます。

サポート校の役割を知って入学するかどうか検討しよう

以上の内容をまとめてみると、

  • 通信制高校と提携して生徒を高校卒業までサポートする民間の教育機関
  • 高等学校として認められていないため、通信制高校と共に入学する必要がある
  • サポート校には独自のカリキュラムや、生徒をサポートする制度が整っている

などの特徴をもっています。

やはり通信制高校に通う生徒にとって、サポート校はとても心強い存在となるでしょう。

一度各サポート校のパンフレットを取り寄せてみて、自分にとってサポート校が必要かどうか考えてみるといいでしょう

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする