通信制高校の評判が悪いって本当?卒業後の進路について徹底解説

通信制高校への進学を検討している学生の皆さんや保護者にとって、通信制高校が世間からどう思われているのかということはとても気になるところでしょう。

人によって通信制高校に対するイメージは異なりますが、残念ながら通信制高校に通っている学生に対して偏見を持っている人がたくさんいるのも事実なので、卒業後の進路選択の上で不利になるかどうかはやはり心配ですね。

今回は、世の中的に通信制高校の評判が本当に悪いかどうかを検証したうえで、通信制高校卒業後の進路についても徹底解説していきます。

進路を考える上でぜひ参考にしてみてください。

通信制高校に対する世間一般のイメージ

通信制高校は世間からどのようなイメージを持たれているのでしょうか。

結論から申し上げますと、多様性・ダイバーシティの重要性が声高く叫ばれている現代社会でも、やはり通信制高校に対してネガティブなイメージを抱いている人が多いようです

実際、インターネット上の口コミサイトなどを見ると、

  • 「通信制高校に通うのって恥ずかしいですよね」
  • 「通信制高校に行きたいけど、世間からどう思われるのか気になります…」
  • 「通信制高校に通っている学生って小中時代の問題児が多そう」

といったような、ネガティブな意見・考え方がよく見受けられます。

やはり、通信制高校に対して、世間では引きこもりや不良、普通の学校の勉強についていけない人が行く場所だというネガティブなイメージを持っていることは事実のようです。

世間のイメージとのギャップ

世間ではネガティブなイメージを持たれがちな通信制高校ですが、実態はイメージほどネガティブな場所ではありません

実は、通信制高校は同じような趣味・価値観を持っている学生が集まりやすい場なので、人間関係は意外にうまく行けることが多いようです。

実際に通信制高校に通い、卒業した人から、「多くの個性的な人たちと友達になれて、自分の個性に合った学生生活を送ることができた」という声も多く聞こえます。

また、通信制高校だからといって、必ずしも授業の質が全日制高校より劣っているとは限りません。

なかには、有名大学に進学した学生や、有名企業への就職ができた学生を輩出させた通信制高校もあるため、進学・就職への不安も少ないでしょう。

このように、世間のイメージと実際の通信制高校のあり方には色々とギャップがあるのです。

実は通信制高校に通っている学生は年々増えている

2018年現在、全日制高校に通っている学生の数が減っているなか、通信制高校に進学した学生の数は年々増えています。

実は通信制高校といっても、学校によっては全日制高校と全く変わらない通い方をしている学校もあれば、普通の授業以外にオリジナルなコース(美容師コースなど)が学校カリキュラムに組み込まれた通信制高校もあります。

もっとも、人間の生き方は様々あって、全日制高校に進学するという人生の歩み方は必ずしも万人にとっての幸せになるとは限りませんし、どのような生き方を選択するのかというのもその本人の自由です。

通信制高校は、登校日数が少ない分、自分が自由に使える時間が増えて、その浮いた分の時間を利用して、自分自身の趣味・興味に打ち込むか、専門的な勉強に専念するか、むしろ人生に新しい生き方が開かれていくでしょう。

また、プロの音楽家、お笑い芸人になりたいという学生にとっては、通信制高校が強くおすすめできます。

通信制高校に通うのであれば、専門的な学校に通いながら通信制高校で学ぶことができますので、自分の夢を追う時間が増えます。

したがって、他人の目を恐れずに、自分にとっての最善な生き方を選択することが大事でしょう。

通信制高校は就活に不利なのか?

通信制高校への進学を決める際に、卒業後の就職活動に影響があるのかということは、もう一つの心配になるでしょう。

学校基本調査「高等学校(通信制)卒業者の産業分類別就職者数」によると、平成29年度の通信制高校の就職率は約20%、つまり5人に1人が就職しているということが明らかになりました。

しかし、卒業後に進学も就職もしなかった人たちは約4割もいるのです。

このデータをみますと、通信制高校に通うのはやはり就職に不利であると考えてしまっても仕方はありませんね。

しかし、通信制高校も全日制高校も卒業すれば同等の高校卒業資格を取得することもできて、どちらの卒業資格のほうが上ということは全くありません。

通信制高校卒ということだけは、特に差別されているわけではなくて、通信制高校にしても、全日制高校にしても、高卒という学歴は就職活動で不利になるということは事実でしょう

履歴書に通信制と書く必要はなし

前述の通り、通信制高校の卒業資格は全日制高校とまったく同等です。

さらに、もし通信制高校に通っていたことが就職活動でマイナスになるのではないかという心配があれば、履歴書にわざわざ「通信制高校生卒」と書く必要がなく、通信制高校に通っていたことを隠して就職活動をすることも可能です。

通信制高校の名前だけではバレないので、ここではご安心ください。

しかし、もし面接で卒業した学校が通信制高校であるかどうかが聞かれたら、嘘をつかず、必ず誠実に答えるように心がけましょう。

さもなければ、後々嘘がばれてしまったら、経歴詐称として疑われてしまって、最悪の場合は懲戒解雇の対象にもなりうるので、ぜひご注意ください。

そのため、万が一面接で通信制高校を選んだ理由が聞かれたら、事前に筋の通った答えを準備しておいたほうがよいでしょう。

アピールポイントになるかもしれません

実は、通信制高校に通っていたことを逆にアピールポイントにすることもできます。

やはり高卒という学歴は就活でマイナスになった分、他のところから学歴の弱みを補強しなければなりません。

もし、何らかの特殊な事情を抱えて通信制高校に入学したとしても、高校生活の中で自分がその問題とどのように向き合い、そしてどういうふうに解決してきたのかを面接官にしっかり伝えたら、案外、面接官の好評が得られるようです。

その「問題解決力」、「前向きな気持ち」を面接官はかなり重視しているようなので、通信制高校に通っていたことは逆にプラスにすることもできます

アルバイトや資格の取得をしましょう

通信制高校は全日制高校よりも自由に使える時間が多いので、その時間を有効活用しましょう。

アルバイトをがんばって、例えば接客業なら対人コミュニケーション能力の高さをアピールこともできますし、建築など体力が必要とされる業種なら体力の強さをアピールすることは可能でしょう。

アルバイトの経験は必ず就職活動で活用できるはずです。

また、浮いた時間を就職に有利な資格の取得に使うのもおすすめです。

特に志望業界、業種が決まった学生にとっては、学歴より資格のほうが重宝されるようです。

例えば旅行業界なら通訳案内士の資格や、福祉業界なら看護師、介護士の資格などが重要視されており、他の人より一足早く資格の取得に励み始めたということは、非常に大きなアドバンテージになるはずです。

いずれにしても、自由に使える時間がたくさんあるという通信制高校ならではの強みを決して無駄にしないように気をつけましょう

それでも通信制高校が不安な方へ

以上のように、通信制高校のイメージは必ずしも悪いのではなく、通信制高校に通っていたといっても就職が不利になるわけではないとお話ししてきましたが、それでも不安がある方もいらっしゃるかもしれません。

学歴社会といわれている日本では、やはり高卒という学歴だけで面接で見下される可能性もあるため、どうしても就職に不安を感じたら、大学や専門学校等への進学はおすすめです。

もちろん、進学においても通信制高校が不利になることはありません。

大学・専門学校に進学するには?

全日制高校と比べると、通信制高校のほうが時間を自由に使えるため、受験に必要な勉強時間を確保しやすいですし、自分の不得意な科目に力を注ぐこともできます。

「通信制高校はあまり勉強をみてもらえないのでは?」と疑問に思う方も多いかもしれません。

しかし、通信制高校の中には受験勉強のサポートが充実しているところもあります

そういったサポートが手厚い高校を選択すれば、安心して受験勉強ができるでしょう。

また、すべての高校生に共通しているポイントですが、名門大学への進学を目指しているなら、塾に通うことが強くおすすめできるので、金銭的・時間的な余裕があれば、ぜひこの選択肢も考えに入れてください。

会社に見られているのは最終学歴

高卒認定でも通信制高校でも、大学に進学すれば周りからは「この人は昔色々あったかもしれないが、それを克服したんだな」というポジティブなイメージを植え付けることができます

どんな高校に通っていたとしても、最終的に会社にみられるのは「最終学歴」です。

履歴書を書く時に、基本的に高校の名前だけを書けばOKですし、学生時代の出来事についても大学時代のことしか書かなくてもよいです。

いずれにしても、大学・専門学校にさえ進学すれば、「通信制高校卒」というイメージがなくなったわけです。

自分自身で未来を決める

通信制高校に対してイメージが悪いとネガティブに考えてしまう人もいますが、前述のように、通信制高校を有効活用すれば得られるメリットもたくさんあります。

確かに周りからどういうように思われるのが気になってしまいますが、通信制高校に通うのならば、「周りからのイメージは気にせず、それに答える必要ももない。そして自分でそのイメージを変えていく」という心構えを持って学生生活を送りましょう

通信制高校は自由な校風で自由に使える時間も多いので、やりたいことがあればとことんやりぬくことができる環境です。

とはいえ、卒業しても4割の人が進学も就職もできないのも事実ですので、自己管理は極めて大事になってきます。

あなたの人生・未来を決めるのは通信制高校ではなくて、あなた自身ということです。

自分に合った通信制高校を探そう

周りの評判を気にするよりも、自分にあった高校に通ったほうがよいでしょう。

進路を考える上で通信制高校への進学も検討しているのであれば、是非実際にオープンキャンパスに足を運んでみたり、資料を取り寄せたり、話を聞いてみてください。

実際に自分の目で確かめてみないとわからないこともたくさんあります。

学校のホームページや雰囲気だけで決めるのではなく、サポート体制がしっかりしているのかなども確認しておきましょう。

通信制高校の数は世の中に非常に多いので、どこかに必ず自分に合った高校があります

進路を考える上では、是非周りからのどう見られるのかを考えず、自分がどうしたいのか大切にしてください。

自分に合った高校を選んで充実した高校生活を送りましょう。

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