通信制高校の後悔しない選び方を徹底解説

通信制高校へ進学する理由にはどのようなものがあるのでしょうか
「全日制高校で不登校になってしまった」「すでに成人しているけれども高校卒業の資格が欲しい」「やりたいことがあるのだが全日制高校ではできなそう」などといった様々な理由が挙げられるかと思います。

では実際に自分に最適な通信制高校を選ぶにはどのようなポイントに気を付けるべきなのでしょうか?
この記事では自分にぴったりな通信制高校を見つけるための選び方のポイントを解説していきます。

通信制高校とは?

そもそも通信制高校とはどのような学校なのでしょうか。
通信制高校とは文字通り「通信教育で勉強を進めていく高等学校」のことです

「高校」と聞くと、毎日制服を着て、決められた時間に通学する姿が思い浮かびますが、通信制高校ではインターネットを活用した授業や、登校時間が決まっていない学校が多く、指定の「単位数(74単位)」を取得することにより高校卒業を目指します。

通信制高校のイメージとしては、

 不登校の学生が通う学校
 働きながら高校卒業の資格をとるための学校
 不良が通う学校
といったものがありますが、最近では様々な形態の通信制高校が増えてきています。

不登校になった生徒の受け入れを前提とした不登校サポートのカウンセラーを常備している学校があったり、大手塾や予備校と連携して新学校以上に勉強に集中できるような環境を整えてたりしている通信制高校も存在しています。

さらに数学や国語といった一般的な授業だけでなく、ゲームやイラスト、美容、看護、プログラミング、ファッション、というような自分が将来したい仕事に直結した専門的な勉強をすることが可能な通信制高校も増えてきています。

通信制高校には4種類ある

日本には多くの通信制高校があります。大きく分けて4種類に分類することができます
それぞれについて解説していきます。

専門に強い通信制高校

学校の授業だけでなく、専門スキルもしっかりと学ぶことのできる通信制高校です
「声優になりたい」「スポーツを極めたい」「海外留学で語学力を身に着けたい」など普通の高校では学ばないようなことまで学びたいという学生にはぴったりな学校です。

全国にキャンパスがある通信制高校としては「ルネサンス高校」「ヒューマンアカデミー高校」「飛鳥未来高校」などが専門に強い通信制高校にあてはまります。

進学に強い通信制高校

進学に強い通信制高校では国立や早慶などの難関大も目指すことが可能です
「通信制高校でもレベルの高い大学を目指すことができるの?」と思われる方も多いかもしれません。
たしかに昔の通信制高校では「高校を卒業すること」を目指す高校がほとんどでしたが、最近ではマンツーマンで指導したり、合格したい大学に合わせて本格的な個人授業を進めてくれたりなど、通信制高校ならではの自由さで受験勉強を進めることのできる学校も存在しています。

この種類の通信制高校には「第一高等学校」「トライ式高等学校」「KTCあおぞら高等学校」などがあります。
どこの学校も、それぞれのカリキュラムを用意しており、大学進学を徹底サポートしてくれる体制が整っています

不登校サポートが充実している通信制高校

次のタイプは不登校やいじめを経験して学校をやめてしまったり、通学することに不安を感じてしまっていたりする学生をサポートしてくれるタイプの通信制高校です

このタイプの通信制高校にはスクールカウンセラーが常駐していたり、学校に通うことができなくなった生徒のもとに先生が直接訪問してくれたりするなど、生徒への理解が深い学校です。

このような理解のない学校だと良くも悪くも「放任主義」のところも多いです。
そうなると余計に学校に通う足が重くなり、そのまま卒業することができなくなる生徒も出てきてしまいます。
「トライ式高等学校」「聖進学院」「KTCあおぞら高等学校」などはこうした不登校になってしまった学生のサポートに対して、手厚いサポートを行っています

高校卒業のサポートが充実している通信制高校

通信制高校には高校卒業資格を無理なく、マイペースにし取得することに力を入れているという学校も多くあります
「とりあえず確実に卒業できればいい」と考えている学生にとってはこのタイプの通信制高校がおすすめです。

通信制高校を選ぶうえでのポイント

自分に合う通信制高校を選ぶには、どんなポイントに気をつけて絞り込んでいくべきなのでしょうか

学費で選ぶ

通信制高校の学費で差が出てくる主なポイントにおいて、最も大きな差となるのは「私立か公立か」という点です

全日制高校同様、通信制高校も公立に比べて私立の通信制高校の方が授業料は割高となっています。

公立の学費は3年間で10万円程度ですが、私立の学費は3年間で50万円~100万円程度の費用がかかってきます。
しかし、公立は自学自習、自己管理、自己責任で卒業を目指すのが基本的な体制です。中学卒業程度の学力があり、自主的に勉強を進めていくことができる人でなければ、卒業が難しい場合もあります

通学範囲で選ぶ

通信制校高校は生徒が通学できる区域に応じて、「広域通信制高校」と「狭域通信制高校」という種類に分けられます

「広域通信制高校」とは全国あるいは3つ以上の都道府県の生徒を募集対象としています。
「狭域通信制高校」では高校所在地ともう一つの都道府県の生徒を募集対象とします。

私立の通信制高校は広域通信制を導入している場合が多く、高校とは別にスクーリング会場を設けて県外の生徒も募集対象としています。
年間で少なくとも20日程度のスクーリングが必要となりますので、通学に無理のない範囲の高校を探すようにしましょう。
また、普段は登校することが困難な学生でも、年に1度程度の合宿に参加すると出席とカウントされる「集中スクーリング」を採用する通信制高校もあります

登校頻度で選ぶ

通信制高校にもスクーリングと呼ばれる指導日が設けられてあります。これは学校への登校日と同じようなものです

般的な通信制高校では月に2回から3回程度が多いですが、毎日登校型の通信制高校や、年に一度の合宿形式で集中スクーリングを採用する学校、さらにインターネットを使用する放送視聴により実際の登校日は年間で数日程度といった学校など、登校頻度は学校によって様々です。

また、学校内でもコースが複数ある場合には登校頻度を在学中に変えることができる学校もあります。
数年後の状況が分からないといった人はこういったコース変更が可能かどうかもチェックしておくべきポイントとなります。

勉強のサポート体制で選ぶ

通信制高校は自学自習が基本です。そのため、独学による3年間での卒業が難しくなっているのが現状です
少しでも勉強しやすい環境を整えておくことも大切な選択肢の一つでしょう。

ある私立の通信制高校ではタブレットやスマートフォンを使用した勉強方法が確立されている他、動画の授業で勉強を進めていくことができる学校もあり、時間や場所の制限に縛られずに学習できる環境が整ってきています

また、自分一人での勉強が難しいという人には「通信制サポート校」を利用するという手もあるので頭に入れておきましょう。
通信制サポート校とは通信制高校に在籍する人に対して、単位取得・進級するために必要な支援を行う民間の塾のようなサービス機関です。

学べる内容で選ぶ

通信制高校にはさまざまな学科やコースを設けている学校があります。
大学進学コースや健康・美容などの専門科目コース、社会人のマナーを学ぶ総合学科コースといったように多種多様なコースが存在しています。

中には工学科などの特殊な知識を学ぶことのできる学校もありますので自分の興味に合わせた専門学科を選ぶことができるでしょう。
最近では通信制高校からの進学率も増えてきており、大学や専門学校へ進学する生徒も大勢います

通信制高校は自由の利く学習スタイルのため、資格を取得し専門科目を学び、通信制高校を卒業後にすぐに職に就くという生徒もいます。
卒業した後の将来設計も視野に入れながら、学校を比較することで自分に最適な通信制高校を選択することができるでしょう

入学時期や転入などの制度から選ぶ

全日制や定時制と併設されているような学校は通信制過程から全日制過程への転籍が可能な学校も存在しています

入学した当初は毎日通学することが難しくても、通信制高校から通い始めてゆくゆくは全日制高校へ移りたいと考えている人は、そのような学校を選択するのもおすすめです。
また、反対に全日制高校から通信制高校に移りたいという場合も、転入や編入を募集している通信制高校は存在しているので期間を開けずに勉強を続けていくことが可能です。

通学型か通信型かで選ぶ

通学型か通信型かを選ぶことも重要です。
通学型の場合には学校に通いながら高校卒業資格に必要なレポート等の勉強を進めていく学校です。

毎日通学の場合もありますが週1日程度の学校も多くあります。
学校に通学することになるので先生や周りの生徒との交流も活発にあります。

一方、通信型場合には従来の通信制高校の勉強方法で、自宅にレポートや教科書、DVDなどが送られてきてそれをもとに自分で勉強を進めていきます
通学型と通信型はどちらが良い悪いというのではなく、自分の性格やスタイルに合うほうを選ぶことが大事です。

一時的な感情だけで決めるのではなく、長い目で見た時にどちらが自分にプラスになりそうか考えて決めるようにしましょう

学校の雰囲気で選ぶ

通信制高校を選択する上で学校の雰囲気を考慮することはとても大切です。

なぜなら全日制高校などを辞めた理由に繋がるケースが多いからです。
 クラスメイトと合わなかった
 先生と合わなかった
 いじめなどがあった
 学校の校風がいまいちだった
などのいずれも人間関係や学校の雰囲気が原因となっていることがほとんどです。

実際、通信制高校によって学校の雰囲気はかなり異なります
進学コースがある通信制高校は全日制高校と似たような雰囲気ですし、美容コースやファッションコースがある通信制高校はおしゃれで明るい女子が多い傾向にあります。

学校見学に行った日に学生が少ない場合や土日にしか見学に行けない場合には、日を改めて再度平日に学校見学に行くなどするといいでしょう。

通う学生にとっては「どんな授業が受けられるんだろう…」といったことも大切ですが、それ以上に「どんな学生が通っているのか」ということによっても日々の学校へのモチベーションが大きく変わります。

学校の雰囲気は学生生活に大きく関わることなので納得いくまで確認を怠らないようにしましょう。

自分に合った学校選びを!

通信制高校は多種多様な事情を抱えた生徒が通うため、高校を中退してしまった生徒が学びやすいように配慮しているケースが多数です。
また、全日制高校に比べて学校の特色はかなり幅広く柔軟であるという特徴もあります。

学校のホームページやネットで調べても分からないことがある場合は、積極的に資料請求や学校説明会などに参加するなどして情報を集めていきましょう。
ぜひ自分に合った通信制高校を見つけて充実した高校生活を送ってください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする