通信制高校から経理に就職したい、けど何すればいいのか…と悩んでいる方は多いと思います。
経理で仕事するためには当然スキルが求められます。就職する前に経理の資格を取得しなければなりません。
そこで本記事では、経理になるためにどのような勉強をして資格を取れば良いのか、経理になるためにおすすめの通信制高校はどこなのかについて解説していきます。
目次
経理の仕事とは?
経理の仕事とは、会社のお金をわかりやすく帳簿に記録する仕事です。
会社からの支出や収入を管理するのでどこの会社でも経理職は必須です。
経理になるために、簿記2級以上を取得していれば就職することはできるでしょう。
通信制高校から就職するのは難しいと多くの方が不安を抱えるかもしれませんが、実はそうではないのです。
通信制高校のなかには、経理の資格を取る経理専用のコースを設けている学校もあります。
将来的には財務や会計などに携わりたい方は、そのような勉強ができる通信制高校を選ぶのがおすすめです。
経理の資格には紛らわしいものがある?
経理として就職する際、実は似た資格が3つあります。
本記事では経理の資格のなかで紛らわしいとされている「日商簿記」「全商簿記」「全景簿記」の違いについて解説していきます。
日商簿記
日商簿記は王道といえる資格です。
日商簿記は受験者が非常に多い、企業などの日々の営業活動の記録や計算をする資格です。
簿記初級、3級、2級、1級と4つの種類がありますが、就職を意識するのであれば2級を取ることで会計や財務などの仕事ができるようになります。
日商簿記2級はそこまで難しい資格ではないので、対策をすれば確実に取れるでしょう。
参考までに合格率、試験日、試験料は以下のとおりになります。
種類 | 合格率 | 試験日 | 試験料 |
簿記1級 | 約10% | 6月、11月 | 税込7,710円 |
簿記2級 | 約30% | 6月、11月、2月 | 税込4,630円 |
簿記3級 | 約40% | 6月、11月、2月 | 税込2,800円 |
簿記初級 | 約30% | インターネット | 税込2,160円 |
全商簿記
全商簿記の正式名称は「全商簿記実務検定」です。
受験者の多くが商業高校の生徒で、全商簿記が推薦入試やAO入試の評価基準になることがある資格です。
センター試験では簿記を選択できるため簿記を学ぶ学生は多くいます。
簿記検定より難易度と試験料は低いです。
試験範囲は高校の簿記教育の内容が中心です。
1級は「会計」「原価計算」の2つに種類が分かれています。
種類 | 合格率 | 試験日 | 試験料 |
全商簿記1級(会計) | 約40% | 6月、1月 | 税込1,300円 |
全商簿記1級(原価計算) | 約50% | 6月、1月 | 税込1,300円 |
全商簿記2級 | 約55% | 6月、1月 | 税込1,300円 |
全商簿記3級 | 約55% | 6月、1月 | 税込1,300円 |
全経簿記
日商簿記と同じく、経理の就職をしたい方にはおすすめの資格です。
試験は全部で4級、3級、2級、1級(工業簿記)、1級(会計)、上級の計6種類です。
試験の難易度の高さは日商簿記、全経簿記、全商簿記なのでおよそ中間に位置します。
4級から2級までの合格率は約50%から約70%と高い数字を示しています。
就職を意識する方であれば日商簿記の方がおすすめです。
日商簿記の方がはるかに有名なので、会社の評価が高くなり、選考の際に有利に働くからです。
ただし、将来的に会社の経理だけではなく税理士になることを意識するのであれば、全経簿記を取ることで税理士試験の受験資格が貰えるのも覚えておきましょう。
日商簿記の事前練習で受けるのであれば難易度や自信つけに丁度いいかもしれませんが、就職まで時間がない方は日商簿記だけに専念しましょう。
なお、本記事での全経簿記の重要性は低いので、試験日などについては省略します。
日商簿記はどの級を取るべきなの?
高卒で就職するのであれば日商簿記2級で充分です。
それ以上のスキルは求められることは少なく、2級は高難易度資格でもないため高校生で取得する方は多くいます。
最初は3級の試験を受けるのがおすすめ
簿記を取得して経理として就職するのであれば簿記3級を通信制高校に通っている間に取得しましょう。
3級の難易度は高くないので1ヶ月ほど時間を費やせば合格できると言われています。
80時間ほど勉強すれば充分といわれているので、1ヶ月だけ毎日3時間勉強すれば合格圏内には届くでしょう。
ここでの注意点として、忘れた内容の復習に時間がかかるので勉強期間は1ヶ月と決めて勉強に集中しましょう。
また、簿記3級はここまで聞くと簡単そうに聞こえますが、油断をすると落ちる試験です。
その証拠に簿記3級の合格率は30%から40%ほどです。
勉強しないで挑むと落ちてしまうので、しっかり過去問を解いて対策をしましょう。
なお、簿記3級は本屋で買える書籍だけで対策ができます。
教科書を読んで過去問を解くだけで大丈夫です。
1級は取っておくべき?
1級は確かにすごいですが、中小企業であれば間違いなくオーバースペックであるため、残念ながら取得した能力を活かす機会はあまりないです。
就職することが目的であれば2級で充分です。
2級が取れた後は面接対策に時間をかけましょう。
なぜなら面接官はあまり皆さんのスキルには期待していません。
スキルよりも熱意とやる気を前面に押し出すことが経理に就職するには大切です。
簿記2級に合格するには?
学校によっては簿記合格のために講座を開いたりすることがあるので、簿記の勉強のサポートはあります。
ただし、公立の通信制高校ではサポートがあまり期待できないので、経理職に就きたいのであれば私立の通信制高校に通うことがおすすめです。
一般的に簿記2級合格には約200時間の勉強が必要だと言われます。
これは簿記3級の知識が前提として身に着いていることが条件です。
そのため、いきなり簿記2級を受ける方は200時間+80時間で280時間ほど勉強することが必要です。
200時間は確かに長く感じますが、数ヶ月の勉強で200時間にすぐ到達できます。
学習計画を立てれば合格までに必要な時間が見えてきます。
例えば、2ヶ月間は毎日4時間勉強、3ヶ月間は2時間ほど勉強すれば直ぐに200時間になります。
そのため、簿記2級に合格するには、計画を立てて多くの時間を勉強に割くことが重要です。
経理職に就くには何をアピールすれば良いの?
経理の仕事は就職市場のなかでも人気な部類に入ります。
オフィスで仕事ができるので、肉体労働をせず冷暖房が効いた室内で仕事ができるのがとても魅力的です。
経理職はどこの会社でも必要とされますが、未経験よりも経験者が優遇されるのは事実です。そのため、「簿記の資格を持っているから就職は楽勝」と気を抜かずに、就職の際には仕事に対する熱意や経理ができることを積極的にアピールすることが重要です。
そうやって努力をすることで経理職として就職ができるでしょう。
通信制高校は簿記の資格が取りやすいの?
通信制高校は全日制高校よりも時間の制約がないので自由に学習することができます。
全日制高校であれば朝から夕方まで決められた勉強をしなければなりませんが、通信制高校の生徒は好きな時間に必要な勉強ができる環境です。
例えば、午前は化学と英語を勉強、午後は簿記の資格勉強だけするなんてこともできます。
時間が自由に設定できるので当然、簿記のほかにもITパスポートやTOEICなど自分の興味のある勉強に集中できるほか、前述の通りに通信制高校では資格を取る講座を受講することができます。
結果として、通信制高校は自分のやりたいことが決まっている場合には、非常に簿記の資格が取りやすい環境だといえます。
簿記を取る理由が「とりあえず資格が欲しい」でも大丈夫?
簿記の資格を取る際、「とりあえず資格が欲しいという理由で取ってもいいの?」と思うかもしれませんが大丈夫です。
なぜなら簿記は必要な道具があまり多くないため、勉強が始めやすいからです。
また、資格取得後で経理職を希望しなくても、簿記に合格した経験は腐りません。
簿記の資格保持者ということは、会社の収支の帳簿を見て理解できる能力があるので、採用は有利になります。
少しでも簿記に興味があれば、とりあえず挑戦という形で入ってみるのが良いと思います。
簿記の資格が取りやすい通信制高校はあるの?
実は、簿記の資格が取りやすい通信制高校があることは知っていましたか。
本記事では、簿記に合格しやすい通信制高校について3つ紹介していきます。
クラーク記念国際高校
学校からの資格取得サポートが非常に手厚いので、簿記の資格を取りたい方は申し分のない学習環境です。
簿記以外にも、秘書検定やITパスポートなど就職で使える資格も取れるので、何か資格を取りたいという方にはクラーク記念国際高校はおすすめです。
日本ウェルネス高等学校
社会人としての基礎能力をあげるビジネスコースが設けられている学校です。
ビジネスコースでは、普通の教科の他にも簿記や秘書検定の勉強ができます。
経理として就職した後も、社会で通用する人材になる教育が施されているので、将来経理としてキャリアを積みたいと思っている方にはおすすめの高校です。
KTC中央高等学院
マイティーチャー制という制度で生徒へのサポートが非常に良いと評判です。
また、KTC中央高等学院では毎週水曜日に簿記資格の講座を特別に開いています。
就職までに簿記2級合格を徹底的にサポートしてくれるので、簿記2級に何としてでも合格したいと思っている方には最適な高校です。
通信制高校から経理になるのは可能!
経理になるには日商簿記2級を取ることが一番良い資格だと良いことを説明しました。
また、経理になる際、スキルよりもやる気などの熱意が必要なので、そういった熱意をもって勉強するようにしましょう。
通信制高校はやる気のある生徒ならば、勉強に多くの時間を割くことができるので、簿記に合格することや、経理への就職がしやすいといえます。
多くの手厚いサポートを実施している高校も紹介したので、本記事を参考に、ぜひ簿記の資格を取って経理になってください!